倉本 聰
(脚本家/富良野塾主宰) |
北海道の富良野に住んで30年になる。よく田舎暮らしのコツを聞かれるが、強いて言えば、「迷惑をかけること」だろう。人は誰かの助けになることで生きがいを感じる。特に北海道は排他性が少ない。迷惑をかけ、謝りながら、地域に溶け込んでいった思い出がある。
昨年、植林活動を行うNPO(非営利組織)法人「富良野自然塾」を設立した。自宅に隣接する閉鎖されたゴルフ場を森に戻すためだ。
なぜ、森を育てるのか。それは、「葉」をつくりたいからだ。葉は光合成をして酸素をつくり、雨を受け止めて森が蓄える水の量を調節している。ほかならぬ「葉」が、人間の生命維持に欠かせない水と空気を支えている。
地球は「高温化」が進み、人口も爆発的に増え続けている。「進歩」に「心」が追いついているか、確認する必要があるのではないか。大自然の一隅に住まわせてもらいながら、そう考えている。
日本経済新聞 朝刊 2007年11月24日(土) 広告特集「ふるさと回帰フェア2007」より |
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