西垣 通
(東京大学大学院情報学環教授) |
団塊の世代は、敗戦後の国土再建という「希望」を託されて生まれてきた。その目標は戦争のない、民主的で豊かな社会をつくること。その手段として科学技術が重視され、科学技術で世の中を明るくしようと突き進んできた。
しかし1980年代以降、日本は環境問題やバブル崩壊などに見舞われ、科学技術的な進歩主義に社会が疑問を感じ始めた。「IT(情報技術)革命で、日本は本当に理想的な社会をつくれるのだろうか」と。
かつての産業革命が「集中化」だったのに対し、IT革命は「分散化」だ。その人がどこにいようと、ネットワーク上でいろいろなものをつくり、交流し、付加価値を高めていける。それがIT革命の本質だが、日本はまだ、そこまで到達していない。
今、目標とすべきは、ITによる「多極分散」だ。たとえば「地域ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)」で地方を活性化するなど、団塊の世代がふるさとへ回帰し、ITを活用した分野で火付け役となってはどうか。
日本経済新聞 朝刊 2007年11月24日(土) 広告特集「ふるさと回帰フェア2007」より |
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