ふるさと回帰フェア、1万9791人が参加

ふるさと回帰フェアも無事終わった。当日は2日とも天気に恵まれ、絶好の行楽日和でもあった。
9日の前夜祭はサンケイホールがほぼ満杯の508名の参加であった。記念講演の鈴木孝夫先生の「都会は地獄!?地方は天国!!」は言語社会学の泰斗としての縦横無尽な論理展開で楽しめた講演であった。温暖化などの地球環境の悪化などもあって、自給自足も可能な地方での暮らしこそが時代を先取りした暮らしではないかと問題提起し、最後に「志を果たして地方に帰るのではなく、志を果たしに地方に行くことがいま求められているのではないか」と語った。
パネルディスカッションは「『ふるさと回帰」と『ふるさと納税』を考える」をテーマにして行われた。須永ふるさとチョイス社長は「ふるさとチョイスは設立5年。納税額は、最近は倍々で伸びており、本来の目的を越えて行きすぎの面も出始め、見直しも行われた。ふるさと納税制度の特徴は自治体や使途を選ぶことができ、そうした面では民意を反映した、画期的な制度で、見直しを行いながら大きく育てたい」と抱負を語った。上士幌町の竹中町長は「ふるさと納税によって、地方への関心が高まった。問題は納税された財源の使い道。条例を作って、子育て支援や高齢化社会対策、都市との交流などを行った。地方交付税では町独自の政策はできず、ふるさと納税は自由に使えることが魅力、めざす町づくりができている」と納税を活用した取り組みを報告した。藻谷日本総研主席研究員は、「ふるさと納税にコメントしたことはない」と語った後に「日本人は〇と×の二者択一の教育を受けており、そうした選択肢で考えることは嫌いだ」と語り、ふるさと納税でうまくやっているところもあり、自治体によって大きく評価は異なる。問題は使い方にあるのではないかとまとめた。コメンテーターの山下准教授は、これまでふるさと納税には批判的だったと断ったうえで、「地方創生は人口減対策に尽きる。ふるさと納税は各自治体が、こうした政策のために使っていると明らかにして行うべき。ふるさと納税によって独自の政策が展開されるところに意味があるのではないか」と語り、認識のスタンスの変化を率直に認めた。このように、本質論にも入りながら、現状を踏まえた問題提起が行われ、盛り上がった。
10日の本番のふるさと回帰フェアは、2015年16,215人、16年18,176人、今年19,791人とこれまでじわじわと参加者を増やしてきていることを実感させる、手応えのあるものとなった。参加者の傾向は、①昨年比はじめての相談者の割合が高く、前向きな若者や子ども連れの相談者が多かったこと。若者の移住に対するハードルが下がった印象があった。②一人あたりの相談時間が長く、本気度の高い相談が多かったこと。③子ども連れの相談者も例年になく多かったこと。④相談件数は各県ごとにバラつきがあり、山梨・長野・福島・鳥取など多くの県で昨年比倍増。初参加の日常的に受け皿の整備やセミナー開催などで首都圏での取り組みが少なく、認知度ももう少しの自治体は苦戦したようだ。お祭りとしてのフェア参加も必要だが、結果を出すためには日常的な情報発信の重要性が改めて感じさせるものだった。
当初、2万人の入場者をめざしてこのフェアを準備してきたが、209人目標に届かなかったが、健闘したといっていい。ただ、救いは、相談内容が本気で移住を考えている参加者が多く充実しており、参加自治体からも手応えがあり、いいフェアだったとの評価をいただいたことであった。詳細の報告や総括は後日改めて行うことにしたい。

前夜祭当日、初めて大がかり的に東京交通会館の12階イベントホールや3階グリーンルームで行われた岡山市他の「おかやま合同移住相談会」は100組161名の参加、香川県の「香川県移住フェアin東京2017」126組166人、広島県「ひろびろ広島くらしフェア」 広島広域都市圏編は初めての試みで133組163人の参加。長野県南信州地域の「長野の南の理想郷♭南信州プレミアム移住相談会」は41組58人の参加と4県とも健闘が目立つ相談会となった。