昨年12月、移住相談4339件で過去最高に!

東京も昨年末以降、オミクロン株によるコロナ感染者が急激な勢いで増加している。その影響もあってか、1月に予定されている移住セミナーもオンラインへの切り替えやキャンセルが出ている。とくに移住セミナーは過去最高の65回の開催が予定されているがどうなることか、心配である。また、先週あたりから各県の市議団などの視察が軒並みキャンセルとなり、大阪事務所が計画していた1月23日の移住フェア「いなスタ(田舎暮しのスタイルを見つけよう)」も中止となった。やっと昨秋以降、コロナ克服の一条の明かりが見え始めたと思ったら、また先の見えない3年目に入りつつある。「明けない夜はない」の諺もある。いまはその日のためにじーっと我慢のときなのかもしれないが、地方移住のニーズは高まっている。

この程、昨年12月の移住相談件数が明らかになった。総数は概報の通り過去最高の4万9,514件に達し、年間最高であった2019年の4万9,401件を超えた。順位は広島・福島・高知・群馬・佐賀県となり、それぞれ移住セミナーでの集客が多かった。電話・メール・面談の本気度の高い相談は広島・福岡・宮城・静岡・岐阜県となった。とくに福岡・岐阜県はセミナー開催がゼロでの5位以内に入ったのは日頃からの丁寧な移住相談の賜物と思っている。

それにしても、コロナ禍には腹が立つ。順調に実績を積み上げてきて、2019年には過去最高の移住相談件数を達成し、2020年にはがくんと落ちたが、2021年は2019年までの勢いを取り戻し、さらなるステップ・アップと思っていた矢先にオミクロン株の蔓延は言葉がない。しかし、東京1極集中には陰りが生じ、地方分散は確実に進みつつあることは確かで、地方移住によって手にすることのできるゆとりある暮らし、豊かさが実感できる人生を社会的に共有することができれば、さらにこの運動は拡大していくと考えられる。何が何でも東京でなければという価値観をどう克服していけるのか、それが決め手になるのではないかと考える。その切り札の一つはデジタル化の推進であることは確かなことである。だからといって、岸田総理の施政方針演説の中に地方創生がないのは政策の継続性という観点からも残念なことである。

この1週間の取材・来客は、13日に野田聖子内閣府特命担当大臣と情報誌「100万人のふるさと」新春号で対談。14日は島根県益田市議会議員団の視察が予定されていたがコロナでキャンセル。18日も広島市議団の視察、東温市市議団の視察が予定されていたがこれもキャンセル。これ以降も各級議員団の視察が予定されているが全てキャンセルとなっている。

地方移住セミナーは13回の開催。

14日。群馬県は、オンラインで「自分に合う『空き家』を見つけて、 リノベでおしゃれに暮らす」と題して、桐生市で不動産会社を経営する夫婦をゲストに招き、住宅事情や空き家の活用について考えるセミナーを開催した。具体的なリノベ事例を紹介しながら、街づくりへの思いや、リノベを考える際のポイント、不動産会社ができる所有者と移住者とのつなぎ役などについて語った。アイデア豊富なゲストの話に対して、参加者からのコメント書き込みもあり、盛り上がった。147名がオンラインで参加した。

15日には、宮崎県が「ンダモシタン小林 トークセッション  ほどよい田舎の仕事と暮らし~」をオンラインで開催した。地域商社やゲストハウスを運営する元協力隊員や、東京からUターンしてアパレルショップを立ち上げた先輩移住者をゲストに、小林市での仕事の仕方や魅力等を伝えた。11名が参加し、ゲストより年上の方が多かったが、若者が小林市でチャレンジする姿に影響を受けたのではないか。同じく起業を考えている方の参加もあり、さまざなな意見が飛びかった。

福島県会津地域は「ちょっと! 会津に来てみない? 帰ってみない?」を会場とオンラインのミックスで、会津若松市出身の民謡アイドルによる講演会、個別相談会、赤べこ絵付け体験の3本立てで開催した。新型コロナ感染拡大時期にも関わらず、会津地方への移住を検討している本気度の高い20~40代の方11人が来場、5名がオンラインで参加し、熱心に話を聞いていた。

和歌山県は「地方移住!3児のママのわかやまLIFE」をミックスで開催。かつらぎ町在住のゲストと県庁職員によるトークで進行。3人の子育てをしながら、困難を抱えて無添加のお菓子(グミ)を開発するまでの話と、広大な土地を開墾して建てた広々とした家と庭の様子も紹介された。彼女の人柄やライフスタイルに惹かれ、関東在住の20代の人が続々と移住しているとのこと。彼女を中心に移住の輪が広がっている様子がイメージできるセミナーであった。3名の会場参加と約40名のオンライン参加の申込があり和歌山の移住人気が伺えた。

北海道北見市は「北海道北見市 UIJターン希望者向け企業説明会」と「北見市地域おこし協力隊 募集説明会・個別相談会」を開催した。企業説明会は、北見市近郊に移住し、市内企業に就業を希望する方に、企業の採用担当者が直接、会社の概要や求人情報を伝えた。2社が会場参加、9社がオンライン参加。合計7名の参加者が会場とオンラインで個別相談した。北海道ふるさと回帰支援センターによる、北見市の地域おこし協力隊の募集説明会は、ミックス開催の予定だったが、新型コロナ感染拡大のため完全オンラインに切り替えて実施。30~50代が4名参加。北見市にゆかりのある参加者もいて、前向きな質問が多く寄せられていた。

兵庫県は「丹波篠山市の移住事情~家庭菜園やお仕事 移住者さんの声、まとめてお届けします!~」をオンラインで開催。丹波篠山市へ移住した2名のゲストに、それぞれの移住事情を聞いた。1人目は、大阪から家族で農業移住された方。農業や子育て環境、地域の暮らし方についてお話いただいた。2人目はリモートワークを機に移住された方で、自然豊かな環境を身近に感じながらのリモートワークは感性が磨かれ、都会で仕事するよりはかどるとのことだった。14名の参加者は丹波篠山市に移住を決めている本気度の高い方ばかりで、後半の質疑応答ではそれぞれの方が具体的な質問を熱心にされていたのが印象的であった。

鳥取県は、15、16日の2日間にわたって「鳥取県IJUターンBIG相談会」を開催した。当初は会場開催の予定だったが、感染拡大に伴って、昨年に引き続き、今年もオンラインでの開催となった。鳥取県内の18市町、約40社の県内企業、農業・林業の専門相談員が集結し、あらゆる相談に対応することが出来、かつ具体的な話まで進められたようだ。94名が参加。皆さんが次のステップに進まれることを期待したい。

16日は、徳島県が「カフェ&スイーツ店オーナー秘話~地方開業ここだけの話~」と題して、徳島で夢を実現したい方向けのセミナーを会場とオンラインで開催した。県内で「自分らしい生き方」を実現している女性をゲストに迎え、地方での開業の仕方や働き方について聞いた。実際にスイーツ店やカフェをオープンしているオーナー2名が登壇し、自身の「とくしま暮らし」について話をしていただいたが、「食」という観点から徳島県民の好みなどが見え、大変興味深い内容だった。ウェビナーでの実施だったが、質問も多く出て双方向の交流ができたセミナーだった。会場6名、オンライン20名が参加した。

岡山県備前市は「備前市オンライン移住セミナー」をオンラインで実施、「フリーミッション型地域おこし協力隊」をテーマにOBによる体験談、現在募集中のミッション内容のほか、備前市の気候や交通アクセス、買い物エリアなどについて話を聞いた。17名が参加し、セミナー終了後も質問が飛び交い盛り上がった。関東圏を中心に、中四国、関西、沖縄など幅広い県からの参加があった。

茨城県は「~おためし移住のススメ~いばらき暮らしセミナー」をオンラインで開催。日立市、常陸太田市、北茨城市、笠間市、茨城町の5自治体がお試し住宅を実況中継しながら紹介した。施設内の設備紹介とお勧めの過ごし方、必要に応じてコーディネーターが滞在中の行程をプランニングするなど特色についてもPRがあった。常陸太田市からは施設を管理するオーナーさんも登壇。「山奥にある施設だが周辺に生活に必要な施設が集まっているので、車なしで滞在した方もいる」と紹介されていた。北茨城市は、移住を進めるにあたり不安になる「仕事」と「家」の探し方や相談できる先輩移住者の紹介もあり、お試し住宅活用後のビジョンまで明確に提案していた。15名が参加した。

島根県は「島根移住ステップセミナー#5移住その後編」をオンラインで開催した。地域おこし協力隊のゲストと島根県スタッフのトークで、テーマは移住その後編。ゲストは任期満了後に農地付き古民家を購入し、ゲストハウスを経営。地域の人との付き合い方から公共料金の値段など細かい情報までざっくばらんにお話頂いた。また、島根は地域おこし協力隊ネットワークもあり、横のつながりが太いので、移住を検討している方には入り口としておすすめしますとの事。参加者は概算17名で初参加の方が多かったが活発にチャットが入り和気あいあいとしたムードであった。

大分県は「第8回おおいた暮らし塾in東京」をセンタ―会場でリアル開催した。参加者は20代~70代と幅広く、Uターン1組・Iターン9組とIターンの相談が多かった。コロナウィルスの感染が拡大する中、なんとか対面で相談いただけて良い機会となった。

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