ご挨拶

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組織統合に対する思い 認定NPO法人ふるさと回帰支援センターは、2025年7月1日より、公益社団法人 ふるさと回帰・移住交流推進機構と組織統合いたしました。

ご挨拶

 ふるさと回帰支援センターは設立から23年間、非営利の団体として、「ふるさと回帰運動」を掲げて地方移住に取り組んできました。

 私は団塊の世代です。1963年に福島県の中学校を卒業しました。約半数が集団就職した世代です。2007年に60歳の定年を迎えると言われていました。この世代が定年後、「どこで暮らすのか」と考えたことがふるさと回帰運動の始まりです。2002年の設立当初は、団塊世代のUターンが中心でしたが、その後、三つの大きな社会変化が人々の地方移住への意識を劇的に変えました。

 2008年のリーマンショックで、学卒者の4割が希望する職には就けず、地方で働くことを考える若者が増えました。そして、2011年の東日本大震災。多くの若者が東北にボランティアとして訪れ、地域の方々と寝食を共にし、地域のメンバーとして受け入れられました。そこで「新しいふるさと」を見つけ、実際にU・Iターンする姿も目の当たりにしました。2020年からのコロナ禍では、政府の「3密」回避の要請もあり、移住を検討する層が大幅に拡大。裾野が一気に広がりました。移住相談の現場では、「何のために生きているのか考えた」「家族との時間を大事にしたい」「地域に貢献したい」「農業など第一産業で働きたい」といった、都会での暮らしでは得られない、本質的な豊かさを求める切実な声を聞く機会も増えています。

 センターの統計でも、2008年には50歳以上が7割だった利用者が、いまは40歳以下で7割を占め、いまや移住希望者は現役世代が中心となっています。また、年間6万件を超える相談件数が示しているように、地方移住はもはや一部の人の選択肢ではなく、多くの人々にとって身近な選択肢となりつつあります。

 しかし、昨年6月、デジタル田園都市国家構想実現会議事務局(現:内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部)が発表した報告書を目にした時、私は強い危機感を覚えました。「地方創生は期待したほどの成果を出すことができなかった」と。このままではいけない。この国の未来のために、残された時間は少なく、もっとできることがあるはずだ。その思いが、私の背中を強く押しました。「スケールアップして地方移住に取り組むには、同じ志を持つJOINとの統合が不可欠」との思いから、林﨑業務執行理事に打診し、意気投合。まさに、日本の未来を切り拓く新たな一歩が、ここから始まるのだと熱い思いが込み上げてきたのを思い出します。

 地方創生、地方移住の推進こそが私たちの使命だと考え、この23年間、取り組んできました。ふるさと回帰支援センターの会員は680自治体にとどまっていましたが、今回の組織統合で当面、全国市町村の半数にあたる自治体が、この運動へ主体的に参画していただけるように進めていきたいと考えています。この運動の具体化を通して、1,714すべての自治体が「百花繚乱」のように花が咲き誇るような、そんな活力に満ちた国造りを新たな組織でめざしていく所存です。

 いまの日本には少子化、高齢化、都市と地方や持つ者と持たざる者の格差社会の急激な進行など、山積する課題があふれています。戦後、日本は地方から東京へ人の流れをつくり復興を成し遂げました。今度は東京から地方へ人の流れを加速し、地方が受け皿となることでもう一度、日本を再生したいと考えています。ふるさと回帰運動でこれらの課題が全て解決できるとは思いませんが、多様な生き方の一つとして地方移住が当たり前の選択肢となれば、多くのことが穏やかに変わっていくと信じています。

 これは我々だけでは成し遂げられません。地域の自治体の皆様としっかり連携・協力し、より一層深い関係性を構築する中で、地域住民の皆さんが主体的に課題に目を向け、移住者を含めた地域住民同士で「コミュニティ」を形成していく。そうした運動こそが、持続可能な地域社会につながるのだと確信しています。

 私たちが提唱する「ふるさと回帰運動」は、単なるUターンだけを指すのではありません。生まれ育った場所だけでなく、地域との新たな出会いを通じて、自分にとっての「新しいふるさと」を見つけてほしい。日本に住む一人ひとりがゆとり豊かな人生を歩めるよう、これからもしっかりと移住相談者に寄り添い、この「ふるさと回帰運動」を力強く展開していきます。

2025.07.01
公益社団法人 ふるさと回帰・移住交流推進機構
代表理事・理事長 高橋 公

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