「ひろしま暮らしサポートセンター」ひろしまライフスタイリスト 市林さん・吉岡さんインタビュー
海、山、島、都市-選ぶ地域によって多様な暮らしが実現できるのが広島の魅力

広島県の専属相談員は、広島県出身の吉岡さんと山口県出身の市林さん。東京圏と広島県の架け橋である「ひろしまライフスタイリスト」としての活動や広島の魅力について、それぞれ異なる視点から伺いました。
市林さんインタビュー(2022年着任)
「ここだけの話、広島の良さを知ったのは東京に来てからかもしれません」と優しい笑顔を見せてくれました。実は、市林さんは山口県岩国市出身。岩国市は、広島県に隣接しており宮島が見えるほどの距離。山陽新幹線の広島駅は隣の停車駅です。
―広島県との関わりについて教えてください。
岩国の高校を卒業後、京都で学生生活を送りました。就職先に選んだのは広島県庁。いわゆるJターンです。広島の本庁に3年勤め2022年4月から東京駐在となりました。ふるさと回帰支援センターでも、県庁職員が相談員をつとめているのは広島県と和歌山県だけです。
ー広島の良さとはどんなところにありますか?
広島市に住んでいる頃は徒歩で通勤していました。県庁は市の中心部にありますが、そこまで歩いて通える場所に(新卒の私でも)住むことができるんです。高い家賃や混雑した電車とは無縁の生活を送っていました。
世界遺産でもある原爆ドームに隣接する旧広島市民球場の跡地整備事業も進んでいます。商業施設だけでなくイベントなどが開けるオープンスペースや公園も設けられます。その北側に位置する中央公園では、サンフレッチェ広島のホームとなる新スタジアムの建設が進んでいます。
目の前に広がる瀬戸内海は海の幸も豊かですし、たくさんの島が浮かぶ多島美が自慢です。一方で山に目を転じれば、スキー場が10ヶ所もあるんですよ。海もあれば山もある。だからと言って自然だけではなく、広島市は100万都市だし、福山市は45万人、呉市も20万人とちょうどいい。都会すぎず田舎すぎない「程良さ」が広島県の特長です。
ー「ライフスタイリスト」とはどんなお仕事ですか?
移住を考えている方々も、価値観はいろいろです。瀬戸内海が穏やかでいい、とおっしゃる方。田舎暮らしがしたいとおっしゃる方。もっと自然に触れて暮らしたいとおっしゃる方。
いろいろなニーズを持つ方々に、ニーズに応じた情報をお届けすることが大切だと考えています。働き方ひとつとっても多様なんですよ。リモートワークができるので移住したいという方もいれば、新しい事をしたいという方もいる。移住を機に転職される方は多いですよ。好きなことをして暮らしたいからと、尾道市に移住してクラフトビール作りを始めた方もいました。尾道は、しまなみ海道に代表されるサイクリストの街として内外から注目されていて、とても人気のエリアです。
ー新しいスタイルも見え始めているようですね。
若い人が短期滞在のような形で移住されるケースも出てきています。因島に3ヶ月だけ暮らすとか。それを可能にするゲストハウスもありますし。去年は長野県に住んだから今年は瀬戸内で探したい、みたいに1年ごとに住む場所を変える方も出てきています。実際に広島でも、移住者と現地の方が化学反応を起こして新しいことが始まったりしています。1回試しに住んでみる、みたいなこともありだと思いますね。
本当に自由度が上がっている気がします。コロナの影響も大きかったと思います。人と密になってはいけないという体験が、人との距離感を改めて見つめ直すきっかけになったのではないでしょうか。本当にこのままずっと東京に住んでていいのだろうか?人と隔絶されることは望まないけれど、それなりの距離感は欲しい。よく見てくれているという安心感も欲しいし、程よい距離も欲しい。その程良さが、「そこそこ田舎でそこそこ都会」の広島にはあるんだと思います。
ー何を大切にしながらこのお仕事をしていますか?
「後悔のないようにしたい」と肝に銘じています。
移住される方が、何を求めているのか、何を実現したくて移住を考えているのか、それを一番に考えるようにしています。
実際に移住された方の声をお届けするために、移住をテーマにしたオンラインイベントを2022年は21回開催しました。リアルイベントも年に3回開き、自治体の方と直接話せる機会を作っています。民間の移住コーディネーターを紹介したり、多様な情報提供のチャネルを作るよう心がけています。現地の方と会うことはとても重要なので、現地訪問は必ずお勧めしています。

市林さん
ー移住を検討されている方に伝えたいことは?
地域にはいろいろな可能性があります。その可能性を開花させる方法のひとつが移住だと思っています。他所から人が移住してきて地元民と触れ合うことで化学変化が起き、それまでなかった盛り上がりが生まれ、それがビジネスチャンスにつながってゆく。
私たちは「ひろびろひろしま」をキャッチフレーズに移住支援を行っています。ほどよく都会と自然がある広島で、ひろびろした生活を楽しんでいただきたい。移住支援で終わりではなく、県庁には就職を支援する場や定住を支援する仕組みもあります。手厚い支援体制を用意していますので、まずは気軽にご相談ください。
広島の人はシャイだけど、一度打ち解けて仲間になればみんなで盛り上がる。広島カープを見ていただければ分かっていただけると思います(笑)
(※このインタビューは2023年におこなわれたものです)
吉岡さんインタビュー(2016年着任)
―まずは広島県との関わりと、「ひろしま暮らしサポートセンター」で働き始めたきっかけを教えてください。
僕は25歳まで広島市で暮らしていて、衣料品を扱う仕事をしていました。その後、転職して神奈川県に引っ越し、6年半ほど、まちづくりに関する仕事に携わっていました。
2011年の東日本大震災を機に、広島県へのUターンや他県へのIターンをする友人が増えました。僕自身もこれからの生活をふまえ、広島県へのUターンを考えていました。そんな時、広島県への移住相談に関する仕事があることを知り、大好きな広島に関われるのではないかと思い、「ひろしま暮らしサポートセンター」での仕事に応募しました。

吉岡さん
相談にはどのような方がいらっしゃるのでしょうか?
年齢的には30〜40代くらいの方が多いですね。現在、広島県では移住希望の方に向けたメッセージとして「チャレンジする人や、夢を見る人を全力で応援します。広島でチャレンジしませんか」という発信をしているのもあって、東京圏で10年ほど仕事をした後、次のステップとしてそのキャリアを地方で活かしたいという思いを持って来られる方が多い印象を受けます。そのため、単身者や子育て世帯など若い方がよくご相談に来られます。
広島県には中国・四国の中心である100万都市としての「高次都市機能」・「大きな市場」・「多様性」がありながら、そこから1時間圏内に、山、川、海、島の「自然」・「地域資源」・「地域課題」があります。このため、フリーランスの方や起業を考える方、新しい仕事を見つけたい方など、「広島でチャレンジ」という意欲を持っている方からのさまざまな要望に応えられるのが強みだと思います。実際に移住された方々の様子は「ひろびろ ひろしま」という移住サポートメディアでもご紹介していますので、こちらのサイトをご覧になってご相談に来られる方も多いですね。
―ひろしま暮らしサポートセンターを有効に活用するためのポイントはありますか?
サポートセンターを通じて、人の縁を繋げていってほしいということですね。相談に来られた方には、単に広島の暮らしや仕事の情報だけでなく「こんな人がこんなフィールドでこんな活動をされていますよ」といった話をして、その方に会いに行ってみてくださいとご案内しています。
実際に現地に足を運ぶことで、地元に暮らす人との縁が繋がっていき移住を決めた方がたくさんいらっしゃいます。私たちが縁をお繋ぎしますので、ぜひ先輩移住者や地元の人たちに会ってみてほしいですね。東京圏で広島出身の人たちと会う機会も多いのですが、みなさん広島のことが大好きです。そういう郷土愛の強さ、結びつきの強さが広島県民の温かさや優しさに繋がっていると感じます。
―吉岡さんが考える、ひろしま暮らしの魅力を教えてください。
瀬戸内の穏やかな気候に恵まれたなか、都市と海や山といった自然との距離感が近いので、どちらに住んでも両方楽しめるのが広島県の良いところです。広島市内で働きながら、仕事帰りにはちょっと海沿いの遊歩道に立ち寄ったり、「雪のコンディションが良さそうだからスキーがしたいな」と思い立ったらその1時間後にはスキー場にたどり着けたり。そして、昔の港町や宿場町など古い町並みが残る地区でも、いたるところで空き家や地域資源を活用したプロジェクトが進んでいて、プレイヤーとなってもらえる人材を求めています。
本当に、選ぶ地域によって多様な暮らしができるのが広島県の良さだと思います。
―最後に、広島への移住を考えている方にメッセージをお願いします。
「ひろしまライフスタイリスト」やセミナーを利用していただくことで、相談に来られる方にとってより良い「ひろしま暮らしの魅力」を一緒に引き出していけたらと思います!
(※このインタビューは2016年におこなわれたものです)

ひろしま暮らしサポートセンター ひろしまライフスタイリスト 吉岡・市林
プロフィール
吉岡:広島市安佐南区出身、西区育ち。幼い頃からのカープファン。大学では写真部とワンダーフォーゲル部に所属。日本三名山を制覇。大学卒業後は広島市内で衣料品の販売、修理を行う。2007年にボランティアで携わった広島アートプロジェクトをきっかけに2009年よりアートによるまちづくり活動を行う横浜の黄金町で勤務。2016年6月より相談員として着任する。
市林:広島県の隣、山口県岩国市出身。関西に進学後、子どもの頃から通っていた広島にJターン移住。2018年より広島県市町行財政課に所属し、県内市町を相手に勤務したのち、2022年4月より現職。
相談員からひとこと
吉岡:広島県には、海・山・川の豊かな自然やそれに隣接する高い都市機能、そして、「広島から未来を創り出す」というチャレンジ精神があります。移住をキャリアアップのチャンスと捉え、新しい生活、そして、あなたの未来を全力でサポートします。広島で新しいライフスタイルを実現 してください。
市林:広島県は都市と自然が近接しており、仕事も暮らしも充実させることができる場所です。同時に、人の温かさを感じられる場所です!チャレンジする人や夢見る人を全力で応援し、仕事や暮らしの不安もひとつずつ解消していきます。少しずつ、広島県のことを好きになってください。