「とちぎ暮らし・しごと支援センター」 移住・交流相談員 山口さん・生田さんインタビュー

様々な移住ニーズに応えられるのが栃木県。窓口は気軽に使えるワンクッションだと思って下さい。

「とちぎ暮らし・しごと支援センター」 移住・交流相談員 山口さん・生田さんインタビュー

栃木県の移住相談員は、栃木県出身の山口さんと神奈川県出身の生田さん。出身も経歴も異なるおふたりに、相談業務や栃木県の魅力についてお話をうかがいました。 

山口さんインタビュー(2022年着任)

-相談員になった経緯を教えてください。

生まれ育ったのは栃木県足利市です。高校生の時に国際エッセイコンテストに入賞して、いただいた副賞で行った中国一周の旅がすばらしく、高校卒業後に北京に留学しました。帰国後は観光の専門学校で様々な資格を取り、その後は高校や大学などで中国語や観光系科目を指導しました。日本語教師のライセンスも取り、外国人に日本語を教えていましたが、新型コロナウイルスの影響で外国人の入国が停止、仕事に影響が出てしまい、これを機にキャリアチェンジをしようと思い立ちました。そして縁あってふるさと回帰支援センターで移住相談員を務めることになりました。
実家が老舗の鰻屋なのですが、後継者がいないという事情があり、若者の後継やふるさとのこれからについていろいろ考えていたということも動機になったと思います。

山口さん

-山口さんから見た栃木県の魅力は何でしょうか。

「アクセスがとても良い場所」というのが利点だと思います。東京からは電車でも自動車でもすぐですし、東北の玄関口のような位置づけでもあります。住んでみると田舎過ぎず、都会過ぎずという点が心地良く感じます。
そして、地理的な条件がとても多様です。中央部は宇都宮などの都市。北は山、南は水田が広がって、東は丘陵地帯です。山、川、湖、平野があって、ないのは海だけです(笑)。気候もさまざまで、夏は場所によって暑かったり涼しかったり。夏は川で水遊び、冬は日光や那須エリアへ行けばスキーが楽しめます。四季折々のアクティビティが楽しめるのが自慢です。

とちぎまちづくりツアーの様子(2023年)。中央で「まちつく」の看板を持っているのが山口さん。最右前列2人目の白いシャツの男性が、同じく相談員の生田さん

-相談にいらっしゃるのはどのような方でしょうか。

東京など都市部の方が中心で、年代は若い人から年配の方まで様々です。ですから栃木に興味を持たれた理由もそれぞれですね。コロナの影響で、東京までアクセスのいい、自然の多い場所でテレワークを、と考える人も多くなっています。月に数回の出社なら、東京で高い家賃を払い続ける意味はあるのかと考えて移住を検討する方も少なくありません。もちろん移住して転職という方もいらっしゃいます。その場合は栃木県の就職相談員にお話しをつなぐこともできます。
これからの子育てのことを考えて、という30代、40代の家族も目立ちます。東京に比べると待機児童問題の深刻さはありません。ご夫婦の実家の中間を取って栃木という方も。栃木でなら大型犬でものびのび散歩させて遊ばせられる環境があるため、ペットが動機というケースもあります。キャンプが好きな方も、栃木でなら週末に気軽に癒やされに行くことも可能です。全体的に今よりもQOLを上げるために移住されたい方が多いと感じます。

-相談に当たる際、心がけていることは何でしょうか。

家族のみなさんが納得して決めていただくよう、全員のお話しをうかがうようにしています。夫婦でいらしたときには、お二人のイメージのすりあわせをしてもらうように水を向けます。ご主人が「田舎暮らしに憧れて」とおっしゃる一方で、奥様は「やっぱりしっかりしたスーパーがないと難しい」と暮らしの現実的なことに触れられることも。具体的な毎日の暮らしをどうするかという視点で考えることは大事だと思います。ご夫婦であっても、相談にいらっしゃって、お互い初めて聞いたような話が出るときもあります。やはり全員が納得する必要があるというのは基本です。
豊かな自然の中に住むことを求めても、例えば車の運転ができないと日々の生活が大変で、なかなか理想と現実は両立しません。那須エリアは避暑地として有名ですが、冬はそれなりに冷え込みますし、雪かきが欠かせないエリアもあります。それに対応できるのか現実的に考えていただく必要があります。

-移住実現に向けてアドバイスをお願いします。

移住先でどういう生活をしたいのか、リアルなイメージを持つことが大事だと思います。東京で暮らしている今があって、栃木に行って何が変わるか変わらないのか、自分や家族ときちんと向き合うことです。移住するに当たっての要望、条件を書き出してみるように勧めるときもあります。何度でも相談に来ていただいて結構ですし、オンラインでお話しすることも可能です。私だけでなく市町村の担当者や移住コーディネーターと3者でオンライン相談をすることもできます。
自治体によっては移住体験施設もありますから、気軽に「ちょっと行ってみる」という感覚で足を運んでいただければ幸いです。寒いのが苦手な方でしたら、真冬に行ってみることをおすすめします。快適な季節だけでなく、真夏や真冬を体験していただくことでリアルな移住のイメージができるかと思います。
ご希望であれば移住の先輩に話を聞くこともできます。ここの窓口は気軽に使えるワンクッションだと思っていただいて、現地のリアルな人々の情報を得てもらえるよう精いっぱいお手伝いしたいと思います。

河川敷を有効活用したドッグラン。現地に赴いて情報収集し、移住相談に生かしている

(※このインタビューは2022年10月に行われました)

生田さんインタビュー(2017年着任)

-相談員になったきっかけについて教えてください。

もともとは東京の設計事務所で空間デザインの仕事をしていました。2011年の東日本大震災をきっかけに、今、地方で求められていることや、これからの生き方、暮らし方について考え始め、たまたまその頃に栃木県のまちづくり事業の人材募集を知り、思い切って応募したのが栃木県との出会いです。それまでゆかりがなかった栃木県に飛び込んだ形でしたが、地元とは違う地方の暮らしやまちの魅力、人との出会いの数々がとても濃厚で新鮮でした。栃木は面白い人がとても多く、DIYで空き家を改装してお店を始めてしまうなど、やりたいと思ったことを実現できる環境がある場所だと思います。
その後も栃木県内や関東・北関東を中心にまちづくり等の事業に携わってきましたが、栃木にまた関わりを持ちたいと考えていた中で、ご縁あって栃木県への移住相談員を担当させていただいくことになりました。

まちづくりワークショップの時の様子。奥中央が生田さん

-どのような方が相談に訪れますか?
また、どのようなアドバイスをされますか?

最近では「首都圏からアクセスの良い場所を探している」、「ほどよい田舎暮らしがしたい」といった、Iターン希望の若い世代の方が多く訪れています。栃木県は東京から距離はありますが、東北新幹線が走り、車での交通の便も良いため、県南~県央エリアであれば1時間以内で東京に出ることも出来ます。また市街地から10分も車を走らせると、絵に書いたような自然豊かな田舎の風景も広がっているので、まちなかから中山間地域まで、目的によってさまざまなスタイルの田舎暮らしを実現することも可能です。
相談業務では、相談者が移住に何を求めているのかをしっかりと話をお伺いして、ご希望に合わせた様々な選択肢をお伝えしています。私自身は県外出身者ですが、外からの目線で、栃木出身の方も気付きにくい地域の魅力もお伝えできればと思っています。また、積極的に栃木に足を運んで地域の人とつながりをつくり、相談者と地域の人が直接相談できる関係を構築するなど、人と人とを結びつける動きをしています。

-印象に残っている相談者さんはいますか?

生田さん

お知り合いが住んでいるので県北への移住を検討されている、若いご夫婦がセンターへお越しになりました。田舎暮らしにどのようなものを求めているかお話を聞いていく中で、子育て環境や教育関連施設が充実している大田原市を候補としてご紹介いたしました。移住では地域の受け入れる体制や、移住後のサポートも重要になります。その点、大田原市では民間の移住・定住サポートセンターを常設しており、現地スタッフの方を中心に移住者へのきめの細かいサポートをしていただいています。
そのご夫婦は実際に現地を訪れて、大田原の地域や人を気に入っていただけたようで、現在移住に向けて物件探しをされています。今後も大田原市に限らず、一人ひとりのニーズに応じて地域の様々な魅力をお伝えできるよう、情報収集や、地域との連携を充実させていきたいと思っています。

-栃木県の魅力について教えてください。

栃木県は首都圏から近すぎず遠すぎずのちょうど良い距離感なことと、農業、製造業、観光業など産業のバランスもよく、働く場所も多くあるのも魅力です。県北エリアはリゾート地を有するため、観光の延長で比較的年齢層の高い悠々自適な暮らしをご希望の方が多いですが、子育て環境も整っているため、若い方にもお勧めの地域です。県南エリアや宇都宮は首都圏からのアクセスが良いので、首都圏に友人や親戚、家族がいて何かあったらすぐ東京にも出やすく、都会の便利さと田舎暮らしの「いいとこどり」をしたい方にもお勧めです。
例えば栃木市などは、宝島社の『住みたい田舎ランキング』で「若者世代が住みたい田舎」部門で2年連続全国1位を獲得しました。空き家バンクやお試し住宅も整備され、自治体の受け入れ体制もしっかりとしています。

旧イタリア邸

県民性はシャイですが真面目で優しい方も多く、移住者もあまり抵抗なくすんなりと入っていけると思います。無いものは海だけですね(笑)。まずは実際に栃木県に行ってみて、人や自然、食などの魅力を感じていただきたいです。ご相談いただければ、各地域のキーマンンや魅力的なスポット、お店などもご紹介します。
また、栃木は古民家や空き家をセルフリノベーションしたおしゃれなカフェなどのお店も多くあり、黒磯の「SHOZO CAFÉ」をはじめ、東京でも見ることのできないセンスのよいお店がたくさんあるのも特徴です。カフェめぐりもおすすめですね。

-移住を考えている方にメッセージをお願いします。

栃木県には世界遺産の日光や那須など観光地はもちろん、自然や温泉もあり、食も豊かで、冬場の雪も少ないため、暮らしやすく子育てやセカンドライフにも適しています。また、何か新しいことを始めたい人がチャレンジできる土壌があり、県外出身者でも入っていきやすい環境があります。近年では、各市町も移住促進に積極的に取り組みはじめており、各支援制度や受け入れ体制も整ってきました。まずは一度栃木に足を運んでいただいて、観光だけではない暮らしの魅力を感じていただけたらと思います。
仕事さがしについては専任の就職相談員もいますので、私たちがしっかりとお話を伺いながら、ご希望に沿った移住の実現をお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽に「とちぎ暮らし・しごと支援センター」へお越しください。

(※このインタビューは2017年に行われました。)

「とちぎ暮らし・しごと支援センター」 移住・交流相談員 山口さん・生田さんインタビュー

とちぎ暮らし・しごと支援センター 移住・交流相談員 生田・山口

プロフィール

生田:神奈川県出身。大学・専門学校を卒業後、都内の空間デザインやアートプロジェクトを手がける設計事務所を経て、まちづくりの支援を行う会社にて栃木県内の観光まちづくりのプロジェクトに参加。2017年8月より「とちぎ暮らし・しごと支援センター」にて相談員をつとめる。

山口:栃木県足利市出身。高校卒業後、北京へ単身留学。帰国後は観光学を専門に学ぶ。高校、大学、専門学校にて約13年間語学や観光学の講師を務める。実家が老舗の鰻屋で後継者がいないことから、若者による「継業」に興味を持ち始める。2022年4月より現職。

相談員からひとこと

生田:栃木県は都心からのアクセスもよく、郊外へ行けば豊かな自然もあり、中心地であれば生活に申し分ないインフラも整っています。農村エリアも多いので、就農を希望する方にもおすすめです。さまざまな方の多様なライフスタイルのニーズに応えられるのが栃木の魅力ですので、ご興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。

山口:「栃木県」といえば何が思い浮かびますか?日光東照宮、華厳の滝、那須御用邸?餃子で有名な宇都宮市?それとも、大藤で有名なあしかがフラワーパーク?一言で栃木県と言っても実は縦に広いので、エリアによって四季折々のイベントやアクティビティが楽しめ、さらに名産も魅力にあふれているんです。皆さんにぴったりの移住先が見つかるようサポートさせていただきます!

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