「東京多摩島しょ移住定住相談窓口」移住定住相談員 柳沢・畠山

「東京多摩島しょ移住定住相談窓口」移住定住相談員 柳沢・畠山

柳沢さんは自身が東京都・新島で15年間にわたり、移住者としてマルチな活動をしてきたキャリアがあります。移住経験者ならではの親身なアドバイスは、きっと相談者の参考になることでしょう。相談員として心がけていることを、経験談を交えてうかがいました。

柳沢さんインタビュー(2022年着任)

-まずは新島に移住した経緯について教えていただけますか。

生まれ育ったのは秋田県です。高校を卒業して東京に出て、都内のホテルに勤めました。ホテルマン時代はずっと副業をやっていたし、飲食店の経営をしていた時期もあるんです。その後、福祉関係の学校に入りいくつか資格を取りました。卒業後に就職活動をしたのですが、当時は介護保険が始まったばかりの時期で介護職が人気だった時代、都会ではなかなか思うような条件の仕事が見つかりませんでした。

わたしは海が大好きです。そこで「島に暮らせば周りは全部海だな」と、ここはシンプルに考えて東京の島に在るすべての福祉施設に電話したところ、新島の高齢者福祉施設に欠員があるとうかがい、面接をお願いしました。その面接で渡ったときが島への初訪問。住居の手配だけお願いして、あとは大して確認せずに島生活が始まりました。今思うと、あの頃は若さと勢いがありましたね(笑)。

-新島での暮らしぶりはいかがでしたか?

福祉施設では4年半ほど働きました。その後はフリーランスでマルチインカムの生活です。アート作品の制作、アートスクールの運営のかたわら環境保護・啓蒙活動をしつつ、都立高校の非常勤講師や村の介護予防事業にたずさわりました。小学校にゲスト講師として招かれ、子どもたちと一緒に作品作りをするための材料集めを兼ねて、海岸のごみ拾いなどもしました。シーガラス(※)、流木、貝殻などいい素材がたくさんあるんですよ。
シーガラス…海岸や大きな湖の湖畔で見つかるガラス片

ほかにも島興しの活動、漁師の手伝いもしました。庭で畑も耕していました。島生活では決まった仕事で安定した収入を得る人ばかりではなく、日々の生活を助け合いながら、いろいろなことをやって生計を立てていくようなスタイルの人も珍しくないです。
20年ぐらい使われていなかった空き店舗をアトリエにしたり、石で建てられた古いお家を借りてきれいにして住んだりと、セルフリノベーションも経験しました。あれも楽しかったですね。新島移住について一言で表現すると「充実していた」ですね。家族の都合で島を離れましたけど、今でもとれたて新鮮な野菜や魚が届きます!私は第2のふるさとを手に入れたのです。

新島村にいた頃は日常的に自給自足のような生活をしていた

-ふるさと回帰支援センターで相談員となったきっかけは何でしょうか。

島から戻って仕事を探すことになり、自分自身の移住生活経験が役に立つ仕事を考えていたときに、センターの求人が目に入りました。2016年4月に神奈川県の移住相談員になり、その後2022年4月から東京の相談員となりました。東京は窓口を開設するところからの担当です。
東京都の場合、当たり前ですが23区が行政として移住の受け入れの取り組みをすることはありません。そこで多摩地域・島しょ地域という限定した地域のお話になるのですが、まだ相談業務は緒に就いたところですから、立ち上げの担当者としてどんどん中身を充実させていきたいと思います。

-どのような方が相談にいらっしゃいますか?

単身者、ご家族、そして年代もさまざまですね。動機も求めるものもそれぞれで、お話しをうかがっていると、それぞれの人生の分岐点に携わらせていただいているんだなと感じ、身が引き締まります。

-相談にあたって心がけていることは何でしょうか。

「なぜ」をうかがうようにしています。相談業務はQ&Aではなくて、希望を実現するために一緒に考えるプロセスだととらえています。ミスマッチを防ぐために、なぜその島への移住を検討しているのか、どうやったら望みををかなえられるのかを検討してみるわけです。
島は一年中暖かいと思っている人には、冬は季節風が吹くので意外に寒いんですよと経験者だから分かるリアルを伝えます。プラス面は目や耳に入ってもマイナスは知らなさすぎる場合がしばしばです。まず、住むための家を見つけるのが一苦労です。都会のようにたくさんあるマンション物件を比較してなどということはありえません。
島生活でのんびりしたいと思っても、そこは共生社会ですから住民なりの役割があります。自治会、消防団、青年団、草刈り、ゴミ拾い、祭りの運営などいろいろありますが、一緒に汗をかくというのは信頼を築いていくチャンスでもあるのです。「移住して『あげる』。だから無条件に歓迎してほしい」という姿勢では受け入れられるのは難しいですよね。

たとえば、自然や海が好きだから移住したい、というのはわかりやすくてとても良い動機だと思います。でもその自然を守ってきたのは地域の方々ですから、今度は守る側の人になってほしいですね。

柳沢さん

-多摩地域についても教えていただけますか?

多摩地域はとても面白くて、西側に行くにつれて都会が薄まって田舎の要素が濃くなっていきます。都会と田舎のグラデーションがある感じなので、どのぐらい田舎度を求めるかによって、自分に合った移住先を見つけることができると思います。
どこに行っても比較的短時間で都心に出ることは可能ですから、都会の利便性を捨てずに田舎暮らしができるという点は、島しょ地域とは違った特徴です。「そうだ、今日は美術館に行こう」ができる生活なんです。

-最後に移住相談を考えている方へメッセージを。

私は田舎暮らしをして、そこで自分で仕事をつくり、地域おこしにかかわった経験があります。あるべき論ではなくて、移り住むということのリアルをお話しながら、ご希望がかなえられるよう一緒に考えていきたいと思います。お気軽にお問い合わせください。

(※このインタビューは2022年10月に行われました。)

 相談員紹介

左から

柳沢
プロフィール

伊豆諸島の新島にて15年間の移住生活を経験。島ではフリーランスでアート関係・環境保全活動・都立高校の非常勤講師・介護予防事業・漁師の手伝い・島おこし等々マルチインカムな生活スタイル。20年以上使われていなかった店舗を借りてアトリエにしたり、石造りの古民家を借りて住んだりとセルフリノベーションも経験。
「こんな私だからこそ伝えられる事がある」と2016年4月神奈川県相談員として着任し、2022年4月からは東京都の相談員として着任。

ひとこと 地方同様、東京にも自然豊かな場所が多くある一方で、人口減少や働き手不足に悩む地域も存在します。そんな多摩エリアや島の方々と連携して移住サポートに取り組みます!相談窓口では良い話だけではなく、「厳しくも愉快でリアルな暮らし」もお伝えします。
畠山
プロフィール

大分県別府市生まれ。高校卒業まで別府で過ごす。短大卒業後、中国福建省の大学に編入。2年間の留学を終え、京都のホテルに就職。その後、香港で輸出入業や商社勤務、子育てなどをしながら20年滞在。2013年に多摩地域へ移住し、ネット通販の会社を運営。2023年9月より現職。

仕事をする上で大事にしていること

相談者さんに寄り添い、心を映す鏡となるような対応を心掛けています。

ひとこと 「東京に移住?島暮らしってどんな感じ?」興味はあるけど、「?(疑問)」や「…(不安)」がある方へ。私たちが一緒に考えるお手伝いをします!多摩・島しょと聞くと登山やマリンスポーツをイメージする方も多いかもしれませんが、各市町村には他にも個性豊かな魅力がいっぱいあります。もっと深堀りしたいと思われたら、お気軽にご相談ください!
「東京多摩島しょ移住定住相談窓口」移住定住相談員 柳沢・畠山

移住定住相談員 柳沢・畠山

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