創立20周年、新ふるさと回帰宣言

 ふるさと回帰支援センターは、11月に創立20年を迎えました。山あり、谷ありの20年でしたが、多くの方々に支えていただき、協力をいただきました。心から感謝を申し上げます。
 ふるさと回帰運動は、団塊世代の定年後の地方暮らしを応援するために始めました。軌道に乗り始めたのは、2008年のリーマンショックです。当時、学卒者の4割は希望する職につけず、農水省が「田舎で働き隊」というプログラムを補助事業として提案し、実施団体に選ばれました。2009年に政権交代があり、政府は不況下の地域社会における雇用創出プログラムを募集し、私たちは第一次産業の六次化で起業するというプログラム「農村六起」を提案し、採用されました。さらに、2011年には東日本大震災からの復興をめざして、「復興六起」として地域での雇用創出と復興支援を岩手・宮城・福島・茨城の各被災地で展開しました。こうした取り組みが全国各地のNPOや各種団体とのネットワーク構築につながり、移住者の受け皿作りへと進んでいきました。

 大きく飛躍することになったのは、2014年春の日本創成会議の増田レポートの発表と、それを受けて、政府が「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げ、地方移住に本腰を入れてからですです。2021年には、移住相談件数が約5万件に達しました。移住希望者は20代~40代が全体の7割を超え、若者中心へと変わってきました。ふるさと回帰支援センターに移住相談員を配置する自治体は2022年4月現在44都道府県1政令市となり、参加自治体も503自治体に。北海道から沖縄までの移住相談がワンストップで行える体制を確立しました。
 今回のコロナ禍によって、私たちは東京での暮らしを見直し、地方暮らしのよさを再確認しました。テレワークも始まり、二地域居住の検討も進んでいます。コロナ禍はふるさと回帰運動を一歩前に進めました。2020年夏以降は東京圏を取り巻く各県への移住相談が急速に広がり、2021年にはそれが全国へと拡大し、現在に至っています。

 今後の日本社会のあり方を考えるとき、新たな価値観や社会システムを再構築することが何よりも必要と感じています。そして、その先に地方移住・地方暮らしを通した21世紀型の分権、分散型の持続可能な社会構築があると思います。
 いまの日本の社会において、地方移住こそがコロナ禍を超える、持続可能な次の時代を生きる希望ある社会構築につながる懸け橋になるのではないでしょうか。そのためには全国1000自治体に地方移住者の受け皿となる「移住支援センター(仮称)」を構築する必要があると考えます。
 ここに、あらためてふるさと回帰支援センター創立20周年を記念し、新ふるさと回帰宣言を発し、わが国の一極集中から地方分散・分権型社会に向けて、地方移住推進の国民的運動の構築へ向けて、さらなる前進をめざすことを宣言します。

認定NPO ふるさと回帰支援センター
理事長 高橋 公

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