2023年10月

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女性の移住者が増えているの?

女性の地方移住が右肩上がりで増えているようだ。センターの来場者アンケートを見ても、2015年には32.2%であったものが、2022年には46.2%となっている。このデータは、夫婦や子育て中の方が移住相談に来て、アンケートに回答する際に女性が回答すると女性にカウントされることから、やや正確さに欠くようだが、こうしたことを前提にしても、46.2%と半数に迫る勢いだ。 相談部門との意見交換で、そんな傾向にあるのではと話し合っていたら、女性誌の「Oggi・オッジ12月号」(小学館/10月28日発売号)が、「30代で始める『地方暮らし』って悪くない」―20~30代で移住した、その理由はなんですか?―という特集を8ページに渡って掲載していた。この特集では福島、広島、栃木、静岡、愛媛、埼玉、長野など全国各地に移住した10名の女性の暮らしをレポートしている。特集最後の198ページにはふるさと回帰支援センターの移住相談員が移住先で失敗しないために「できること5」を紹介している。移住を考えている人は読んでみては、面白いと思う。 先週末も、熊本県の「火の国 水の国 熊本移住祭り2023」や、広島県の「オールひろしま移住フェア2023 広島とつながれる1日」を始めとして11回の移住セミナーが開かれ賑わった。熊本県の移住セミナーや広島県のフェアには、それぞれの県の移住相談員を担当していた方が久しぶりに顔を見せてくれた。地元でしっかり移住の受け皿作りに頑張っており、嬉しい限りである。特に、広島県と和歌山県は、当初から県職員が出向の形でセンターの移住相談員を担っており、その経験が県の政策にも反映されているようだ。さらに、過日には和歌山県に帰られたセンター職員が旬に入ったみかんを2箱も送付してくれた。職員の健康を祈念してのことと、喜んでいる。ふるさと回帰運動も、こうした全国に散った、多くの相談員たちの声援に支えられてここまで広がっているのではないかと思う。仲間たちの期待に答えるためにもしっかり成果を出していこうと思っている。 来客・取材は、22日は岡山県民生活部長が視察、意見交換。24日は兵庫県市町振興課が13名の研修員を同行で視察に、挨拶した。元電機連合副委員長が表敬訪問、懇談。25日は内閣府デジタル田園都市国家構想実現会議事務局長と懇談。福島県石川郡内町村監査委員協議会の視察で15名と挨拶。26日は連合本部元役職員と懇談。27日は宮崎県五ヶ瀬町長、議員と懇談。産経新聞挨拶。28日は青森県八戸都市圏市町村長が視察に。率直な意見交換をした。  

セミナー報告 10月19日~22日

10月19日~22日は17回の地方移住セミナーを開催した。 19日愛知県は、あいちの山里&離島暮らしのリアルを伝えるセミナー「愛に⾏こう︕島の仕事人編」を佐久島の仕事紹介をテーマにオンラインで行った。島暮らし初心者の地域おこし協力隊が、島の主産業(宿・飲食・漁業)を担う3人の「仕事人」から、リアルな暮らしの本音を引き出すという趣向。先輩島民であるゲストの仕事人は、島の良いところも悪いところも本音で語り、島暮らしの現実を視聴者に十分お伝えできたと思う。5名が視聴した。 20日は、群馬県が「群馬科6限目オーガニック学」を会場とオンラインのミックスで開催した。自然を生かした活動をしている3名の先輩移住者がゲスト。リアル会場は定員いっぱいとなり(25名)、沼田在住の園芸家によるワークショップ「苔テラリウムづくり」で自然を感じられる作品作りを楽しんだ。自然派ワイン作りを目指す地域おこし協力隊の方が用意した群馬ゆかりのワインやチーズ・パンの試食会も喜ばれた。また、オリーブ苗の栽培とオリジナル商品の開発を手掛ける方の事業化までのストーリーは非常に興味深く、参加者の満足度の高いセミナーとなった。会場とオンライン合わせて68名が参加した。 福島県は「女性農家が語る福島の農業のイマ!」をミックス開催。西会津町でオランダ人のご主人と共に、人が集まる有機農業を営む農場の女性と、東日本大震災直後に来日し、昨年から大熊町で自然農法に取り組むフランス人の女性がゲスト。グローバルな視点を持ちながら福島の地で新しい形の農業に取り組む様子を語ってもらった。移住は出来ないけれど、福島県を応援したいという参加者も多く、関係人口拡大を狙ったセミナーとしては成果あり。会場参加者11名中7名は女性であった。オンラインと合わせて27名が参加した。 埼玉県は「埼玉高速鉄道沿線で暮らす~浦和美園編~」と題したミックスセミナーを開催。「埼玉高速鉄道」は、東京メトロ南北線等と直通運転をしていて都内への交通アクセスがよい。その終着駅の浦和美園駅周辺で、農村文化体験施設の運営や子育て支援、自宅カフェをしているゲスト3名が沿線での暮らしの魅力を紹介した。様々な観点から地域の話を聞けたので、「移住後の暮らしについてイメージを膨らませることが出来た」等、参加者は満足されたようだ。20代をはじめ各世代から21名が参加した。 宮城県は、「自分らしい『田舎暮らし』をカタチにする、最初の一歩。~ローカルキャリアデザインワークショップ~」を開催した。自分自身の「キャリアデザイン」「人生設計」について体系的に考え、地方移住・田舎暮らしに向けて一歩踏み出す機会にしようという企画。移住者の経験談を聞いてのディスカッションに加えて、参加者自身が目指したい暮らし方や自分の制約条件を言語化して整理した。元地域おこし協力隊でキャリアコンサルタントとして活躍しているファシリテーターが、キャリア理論を交えつつ上手く進行した。具体的な生活費の話題から、豊かさとは何かなど哲学的な話にも及び、有意義なセミナーだったと思われる。3名が参加。 21日は、佐賀県が「はたらくらすSAGA~エンジニア・ものづくり編~」と題して、県内企業の「技術職」に就きたいと考えている人を対象にオンラインセミナーを開催。ものづくりを行う5社が参加し、会社説明、参加者との交流会を実施した。佐賀で技術職として活躍できる可能性や、佐賀の暮らしをイメージできる内容だった。24名が参加した。 和歌山県は「本屋×移住~地元の本屋さんが紹介する文化系わかやまライフの魅力~」をミックスで行った。和歌山市の独立系書店本屋プラグの嶋田店主が配信する人気podcast「本屋プラグラジオ」の出張版として、ラジオの公開収録形式で行った。個性的な移住者の話ではなく、町に住む市井の人の目線での話が共感を呼び、アンケートでも「移住にそこまで興味がなかったが、関心がわいてきた」「回帰センターの存在を知ることができて良かった」「引っ越しの延長という感覚での移住という言葉に安心した」といった感想が多く寄せられ、今まで接点のなかった層にもアプローチできた。146名が参加した。 群馬県は「太田・邑楽・館林地域移住セミナー」をミックス開催した。ゲストは、会社員を経てキュウリ農家へ新規就農した方と、横浜から移住して空き店舗をDIYし、珈琲豆焙煎所を開いた夫妻。このエリアは雄大な山々などの大自然はないが、麦畑が広がり川遊びのメッカでもある。都市と隣接したちょうどよい自然環境があることで、暮らしに便利さとゆとりがある事を発信していた。4名が参加した。 石川県は「【あなたの知らない金沢】いしかわ暮らしセミナー」をミックスで実施した。金沢市のIターンのゲスト2名に、移住を決めた理由、住まいや買い物や外食などの暮らし、移住して困ったことなどについて話を聞いた。参加者の関心の高い内容で、会場もオンライン共に多くの質問が出た。今回のセミナーで金沢に興味を持っていただき、現在募集中の金沢市域おこし協力隊に、多くの方に応募していただきたいとのこと。11名が参加した。 鹿児島市は「大人気ワークショップ 『移住はじめの一歩』」を行った。昨年度も大好評だったグループごとのワークショップ形式で、ワークシートを使い、参加者同士が考えをシェアすることで移住に向けてのイメージをより具体化した。クロストークでは火山灰や甘い醤油など鹿児島ならではの話題が次々と飛び出し和気あいあいと盛り上がった。10名が参加し、参加者アンケートも非常に満足度の高い結果となった。 兵庫県丹波市は「【有機農業】『丹波市立農の学校』-第6期生募集説明会を開催します!!」を行った。丹波市が全国に先駆けて設置した「全日制有機農業学校」の説明会。学校の紹介以外にも、「農業」や「有機農業」についてのわかりやすい話、地域の農業事情、土や肥料に関する解説もあり、参加者は3名と少数ながら満足度は高いセミナーになり、終了後も話に花が咲いていた。 山梨県は「やまなしで暮らす・働く 移住相談会」を3階グリーンルームとオンラインでミックス開催した。出足が早く、午前中に40組を超える参加者が来場。特に就農体験談セミナーは椅子が足りなくなるほど盛況となり、質問も複数出ていたため、時間を延長した。出展者ブースも賑った。長時間回る人、センターへ以前にも相談した人、通りかかって興味を持った人など、さまざまな方が相談しており地道な告知が功を奏したと言える。112名が参加し、40~60代のご夫婦が多い印象であった。 22日は、宮崎県日向市が「サーフィン移住セミナー」をミックスで開催した。兵庫県からサーフィンと自然豊かな環境での子育てを目的に移住した夫妻がゲスト。移住コーディネーターとしても活動する2人から移住体験談を聞いた。ほかに日向市の仕事事情や、企業からの仕事紹介もあり、最後はトークセッションを行った。6組の参加があった。 佐賀県は「起業で開くNEXT DOORⅡ『移住起業の本音とリアル』地方で起業するって、ホントのとこどうなの? - 佐賀編 -」をミックスで開催した。佐賀県が任命した移住起業支援コーディネーターと、起業家3名をゲストに招き、起業する際のリアルな経験談や本音を包み隠さずに熱いトークを展開。佐賀県の移住起業の強みについて広く知ってもらい、かつ参加者側の本気度や満足度が感じられるセミナーとなった。29名が参加した。 福島県ふくしま12市町村は「未来ワークふくしま移住セミナー [はじめよう、私とふくしまの小さな物語。] Vol.9 “ふつう” に楽しい移住暮らし編」を3階グリーンルームとオンラインで開催した。12市町村で活躍する多様なゲストをテーマ別に招き、移住のきっかけやその経緯、移住後の実際の生活や活動の様子について聞いた。後半では福島12市町村の各種支援制度の説明や、座談会、移住担当スタッフに気軽に相談できる個別相談会も実施した。48名が参加した。 岡山県は「晴れの国おかやま秋の大移住祭2023 in東京」と題して、1年に1回の大規模移住フェアを12階カトレアサロンで開催した。県内16市町、多様な就職相談ブース、住まい、学校関連などが東京に集結。センターで相談継続中の方や移住先地域未定の方が、市町や就職ブースで相談し意気投合するなど進展もあった。移住セミナーでは山と海それぞれに近いエリアで暮らす人や、子育て中の先輩移住者による体験談を聞いた。113組178名の参加。 栃木県は「オールとちぎ移住&しごとフェア2023」を12階ダイヤモンドホールで開催した。県内25市町と19の企業団体が出展した。セミナー(先輩移住者・芸能人・ファイナンシャルプランナー・出展者PRタイム)、体験コーナー(日光産の鹿革を使ったワークシップ)、県内特産物を販売するマルシェコーナーと、様々な移住検討フェーズの来場者に合わせたプログラムをそろえた。芸能人ゲストの森三中・大島美幸さん(大田原市出身)は、子育てのしやすさや、環境の良さなどをアピールしていた。145組 203名が来場し、相談件数は443件と、多いに賑わった。    

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移住の必要性が、地方から大都市まで ?

今日も東京・有楽町の空は秋晴れで、白い雲が浮かんでいる。季節は確実に進んでいるようで、各地からは紅葉の便りも聞こえてくる。 相変わらず、マスコミの取材は多く、16日付の日経夕刊のトップ記事は「大都市、移住者獲得に力」と見出しが踊り、リードでは「人口100万人以上の大都市が移住者の獲得に本腰を入れ始めた」とある。全国で100万都市は11都市あり、そのうち、人口が多い順に横浜市、札幌市、神戸市、京都市、広島市が前年を下回るという状況となっている。センターとして、これまですべての都市で強弱があるが移住に取り組んできたが、これからは、移住は地方だけの問題ではなく、大都市の課題となりつつあるようだ。各自治体はさらに魅力度アップに取り組むことも求められていると書いてあった。 急激な人口減の影響が、地方都市に限らず大都市までにも拡大していることから10年単位の先を見越した、抜本的な対策の必要性が浮き彫りとなっている。 一方で、各自治体では今秋も工夫をこらした移住セミナーの企画が目白押しで、21日(土)は佐賀県、和歌山県、群馬県、石川県、鹿児島市、兵庫県丹波市、山梨県の7県が、22日(日)は宮崎県日向市、佐賀県、栃木県、岡山県、福島県ふくしま12市町村の5県が移住セミナーを企画し、首都圏の移住希望者にアピールしている。21日には、久しぶりに石川県が県都・金沢をテーマに「【あなたの知らない金沢】いしかわ暮らしセミナー」を予定している。成果を期待したい。 取材・来客は、14日は「しまね暮らし推進課」が来訪、あいさつ。17日は自治体会員拡大アドバイザーの氏家氏と打ち合わせ。18日は岡山県玉野市柴田市長と懇談。会員化を要請。11月の知財セミナー「つながる特許庁in鳴門」に参加することから運営事務局と打ち合わせ。19日は元電機連合副委員長の鈴木氏と懇談。20日は福島県相馬市企画政策課長他が新たに自治体会員になったので表敬訪問。北海道斜里町企画総務課長他と名刺交換。山口県周防大島町前町長立ち寄り。

セミナー報告 10月13日~15日

10月13日~15日は13回の地方移住セミナーを開催した。 13日栃木県日光市は、「日光市移住促進セミナー“NIKKOで暮らす”&現地見学・交流会」をオンラインで開催した。「起業」をテーマに、Uターン起業し、「自然を身近に感じる働き方」を実践するゲストを迎えて、日光市での暮らしの特徴や楽しみ方について聞いた。13名が参加し、質疑応答の際に多くの質問があがった。翌週予定されていた日帰りの現地交流会にも、セミナー後に早速複数名から申込があったとのことだ。 佐賀県は、「あなたはどっち?佐賀県だから実現したキャリアチェンジ」をオンラインで開催した。初の大学生対象イベントだったが、参加申込が無く急遽対象を20、30代に広げた。参加者は1名で、今後の大学生向けイベントは再考しなければと反省。 愛媛県は「えひめで学び、暮らす。」をオンラインで実施した。愛媛県では県外から高校進学することを「愛顔(えがお)留学」と呼んでいる。セミナーでは、「愛顔留学」を機に移住した三崎高等学校保護者の方ほか、弓削・北宇和高等学校の生徒の皆さんが登場。愛媛の暮らし・実際の学校生活を通して、変化したことについて詳しく聞いた。楽しく充実した生活を送っている様子がゲストの方々の表情や話し方からもよく伝わった。32名が参加した。 広島県は「昭和レトロだけじゃない!?尾道の“3つの島”の違いと魅力体験セミナー ~転職なき移住で叶える多様な暮らしと働き方~」をオンラインで行った。街並みや瀬戸内海が魅力の尾道だが、地元の人や移住者との繋がりからイベントに参加したり、住まいを見つけたりすることも多い。そうした尾道での「人」との素敵な出会いが、移住者が増えている(=移住者が新たな移住者を呼ぶ)要因なのだと感じた。ゲストへの質問も多く寄せられ、参加者の尾道移住への関心の高さが伺えた。セミナーの最後には、市役所職員から尾道の地域の紹介と来月の現地ツアーの説明があった。55名が参加した。 14日、群馬県は「【就農者トークセミナー】ぐんまのまんなかオーガニックマルシェ~移住×有機農業にチャレンジ~」をオンラインで開催した。前橋市、伊勢崎市、玉村町合同の移住イベント。元カメラマンの新規就農者と、実家が養豚業を営んでいた縁でサラリーマンから農業へ転身した2人のゲストから話を聞いた。「有機農業は、まだ一般的には知られていない。付加価値を付けて周知をすることも大切」「移住をしていきなり農業をはじめなくてもよくて、2~3時間のアルバイトでも農業と言えるのではないか。」などの言葉が印象的だった。107人が参加した。 兵庫県は「農業っておもしろい!わたしの農業物語」をオンラインと会場のミックスで行った。「農業」という働き方が気になるけれど、何から始めればいいかわからないという方に向け、49 歳で脱サラしてぶどう農家へ転職した方と、教師から移住相談員を経て農業法人を立ち上げた方の2人をゲストに迎え、それぞれの取り組みや、今だから言える話などを聞いた。20代~80代の18名が参加した。 山口県は「<YY!ターンセミナー>やまぐちで働こう!第4回 ~移住就業・創業の話~」を開催。山口県にIターンして転職した方と、Uターンして起業した方をゲストにむかえ、移住までのプロセスと移住後の生活についての話を聞いた。セミナー後の個別相談会では熱心に相談が行われていた。29名が参加した。 山形県山形市は「山形市まるごと移住相談会 in 東京 ヤマガターンvol.3」を開催した。Uターンして「給与は東京時代よりアップした」というゲストのトークでは、山形での仕事やプライベートの過ごし方、グルメの話題などで盛り上がった。個別相談会では無料体験ツアーに申し込む方など、真剣な相談者が多かった。8名が参加。 佐賀県佐賀市は「『移住』・『転職』 佐賀を伝えるココだけの話2023」を交通会館3階グリーンルームで開催した。5社の企業が自社事業の強みや働きやすさをアピール。また佐賀市のグルメを紹介し、生活の魅力についても語った。イベント後には、個別相談会も行った。40名が来場した。 15日、福井県は「失敗しない!?地方移住の”トリセツ”」をミックスで開催した。移住に興味があるけれど何から始めていいのかわからない、どのように情報収集すればいいのか等の疑問を解消してもらうことが目的。事前質問も多く、福井県への移住に限らず地方移住について参考になったようだ。セミナー後の交流会もゲストと気軽に話ができて好評だった。参加者は20代~60代の19名。 山形県は「最上地域移住セミナー ~雪国で教わる豊かな暮らしのレシピ~」をミックスで開催。ゲストスピーカーに最上地域在住のおばあちゃんを迎え、手間ひまかけた料理や冬期間の厳しい寒さの中でのくらしの知恵や工夫を紹介し「里山暮らし」の魅力を伝えた。8つの自治体もそれぞれ映像や写真を使い、山林が多く積雪量も多いが、恵まれた自然に囲まれて暮らす地域の人々の暮らしを楽しく紹介した。ゲストスピーカーのおばあちゃんの魅力により始終和やかなセミナーだった。17名が参加した。 長野県岡谷市は「岡谷市移住相談会 ~諏訪湖のほとりでゆったり暮らし~」を行った。最大4組の募集に対して3組の予約があり、3組とも50~60代の夫婦。2組はよく諏訪湖畔である岡谷市を訪問し気に入っており、1~3年後の移住に向けて住まい探しや転職、起業など具体的な相談。もう1組は岡谷市についてはほぼ知らない状態だが、3年後に地方移住と起業を実行できるよう長野県内で広く情報収集している。今後のライフスタイルを真剣に考えている方ばかりで、1時間ずつ丁寧な対応を行っていた。 愛媛県は「移住検討のセカンドステップセミナー “愛媛で働く” 愛媛にはどんな仕事があるの?」をオンラインで開催した。日々相談業務にあたっている就職相談員が、愛媛県の就職事情の解説と、事前に参加者から頂いた質問について一つ一つ回答していく内容。63名が参加し、男女比はほぼ同数。申込者全体の年齢構成は40代と50代で約75%、現住所は関東と関西で全体の約70%であった。

9月の移住相談、初めて岩手、宮城がトップに

秋はふるさと回帰支援センター的にはセミナーや各県主催の移住フェアが多くなる。季節的には、秋は人恋しくなったり、ふるさとをしのんだり、少し感傷的になったりすることから移住関連イベントも増加するのだろうか。今月も66回の移住セミナーを開催する予定。この中には、東京交通会館12階のイベントホールで開催する6回の全県(福島・和歌山・岡山・栃木・熊本・広島の各県)規模のフェアも含まれる。開催方法を見ると、昨年はコロナ禍もあって61%(392回)のセミナーがオンラインで開催されたが、今年はコロナ禍も少し落ち着いてきたことから、9月までの開催実績363回の52%(187回)がオンライン開催となっている。主催する側としては、移住希望者の人となりを知るためには、やはりオンラインよりはリアル開催のニーズが高いようだ。一方、テーマや関係人口の拡大など、より幅広い参加者を求めるためにはオンライン開催となっているようだ。 9月の移住相談件数が明らかになった。全体では9月としては過去最高の5,317件と初めて5,000件を上回り、過去最高の相談件数となった。セミナーで450人を上回る集客のあった岩手県が初めてトップとなり、次いで群馬・栃木・宮城・広島の順となっている。本気度の高い電話・Eメール・面談での相談ではこちらも初めて宮城県がトップとなり、広島・群馬・静岡・福岡の順であった。ここに来て一部の県を除く東北各県の活動が活発化し、成果を上げているようだ。                                    取材・来客は、6日は山口県周防大島町の泊清寺新山住職来訪。10日は千葉県国民民主党県議団2名が視察。群馬県西担当副部長表敬訪問。11日は自治労本部総合組織部長訪問。12日は山田参議員、藤田副理事長と打ち合わせ。静岡県立憲民主党杉山県会議員視察。

セミナー報告 9月27日~10月1日

9月27日~10月1日は20回の地方移住セミナーを開催した。 27日に、福島県が「3人の移住女子が語るクリエーティブな浜・中・会津の楽しみ方」をオンラインで開催した。Iターンし、クリエーティブな職に就く3人の女性ゲストが、移住先での楽しみ方を紹介。またクリエイター目線で語られる福島県の新たな魅力を発信した。共通点が多くある3人だが、話を深く聞いていくと、それぞれの地域(浜・中・会津)の暮らしや楽しみ方には違いがあるとわかった。福島県では多様な暮らし方が営めることを発信できた。33名が参加した。 28日、群馬県は「群馬科2023(5限目) ローカル×アート学」をオンライン開催。地方でアート活動を続ける移住者と、受け入れ地域のキーパーソンが対談した。藤岡市鬼石で、海外からアーティストを誘致し、滞在プログラム(アーティスト・イン・レジデンス)を営むアメリカ人と、中之条町で地域おこし協力隊後に定住した彫刻家を迎え、地方での制作時の姿勢やインスピレーションについて聞いた。また移住コーディネーターからは、地方で芸術制作をする際の地域に馴染むコツや空き家活用について聞き、過疎こそアート活動の発起点になり得るのでは、という印象を受けた。参加者は94名。   山口県は、やまぐちYY!ターンLiteセミナー「山口の絶景海岸線 第1回 3人の海好きが語る『萩の海』とは」をオンラインで開催した。山口県の特長である‟海‟をテーマとして、漠然層へ県の魅力を紹介し、県への関心と理解を深めてもらうことが目的。今回は萩市の海に惹かれて移住した3名が魅力や、仕事と暮らしについて熱く語った。24名が参加した。 富山県の富山市・射水市・氷見市は「第2回とやま地域おこし協力隊募集セミナー」をオンラインで実施。それぞれの市の紹介と、現在募集中の地域おこし協力隊の内容や地域の特徴について説明。現役の協力隊員の参加もあり、実際の活動内容についてイメージしやすかった。6名が参加した。 29日は、佐賀県が「さが暮らしセミナー Vol.3 ~第1回 おいしい佐賀を知る~」をオンラインと会場のミックスで行った。唐津市在住・漁師歴17年の先輩移住者と、東京在住の料理研究家をゲストに、生産者と料理研究家ならではの視点で、佐賀県の豊かな食や暮らしの良さについて紹介した。会場・オンラインともに参加者から質問が多く寄せられ、佐賀暮らしに興味関心をもっていただく時間となった。65名が参加した。 山形県大江町は「山形県大江町で農業をはじめよう ~移住就農相談会~」を開催予定であったが、残念ながら参加者が0であった。翌日に「新・農業人フェア」が都内で開催されたこともあり、就農に関心がある方はそちらへの参加が集中したのかもしれない。次回は開催時期を良く検討すべきだと思う。 30日は、岩手県  「THE いわて DAY 2023 【合同開催:岩手県U・Iターン就職フェア】」を年に1度の岩手ファンミーティングとして開催。毎年首都圏で開催していた就職イベントを同時開催とし、昨年より更に充実した内容とした。各市町村や企業ブースも途切れることなく相談があり、参加者、出展者ともに満足度の高いイベントになったと思う。約500名が来場し活況を呈した。 サブ会場として8階セミナールームでもセミナーを3件開催。1つ目は学生と岩手県で働く民間企業3社(岩手銀行・美和ロック・岩手日報社)の先輩との交流会。「就活」や「仕事」について若手社会人が語り、賑わった。2つ目は5市町(一関市、岩泉町、軽米町、紫波町、遠野市)の個性あふれる地域おこし協力隊5名が、競うように仕事や卒業後の活動を紹介した。最後は県内の企業や法人と県外の岩手ファンを、仕事を通じてマッチングする事業の説明会。県内の地域課題解決に参画する関係人口を増やすための取り組みについて、参加者が真剣なまなざしで聞き入っていた。それぞれ8~9名が参加し、真剣度の高い方々の来場で会場は賑わった。また参加者のほとんどが女性であることが印象的であった。 新潟県は「にいがた暮らしセミナーvol.5 新潟の『食材』を使ったオンライン料理教室~子どもに伝えたい地域の食文化~」をオンライン開催。有料参加者へトウモロコシとお米を送り、オンラインでとうもろこしご飯の作り方を実演した。御飯の炊き上がり時間を利用して、津南町の紹介や食材の話、農業、子育てについて、地元へUターンしたゲストがくり広げた。最後に出来上がったとうもろこしご飯を試食し、おいしいと現地は盛り上がりを見せた。22名が参加した。 三重県は8つの市町が集まり「伊勢志摩移住サミット 2023 ええとこやんか三重移住相談会」を開催。海のイメージの強い伊勢志摩地域だが、山も川もあり、食べ物も美味しい伊勢志摩全体の魅力を広く知ってもらうために開催した。どの市町の担当者も地域全体を把握しており、参加者も地域の詳しい話を聞けて満足されたようだ。24名が来場した。 富山県は「とやま移住セミナー2023 距離感、いろいろ。富山の住まいのカタチ」をオンラインで開催した。相談時に多く質問がある「住まい探し」について、賃貸だけでなく、いくつかの選択肢があることを伝えることができた。特に都会と富山県のシェアハウスの違いを案内でき、今後の利用者増も期待できる。18名が視聴した。 北海道は「北森カレッジ&森林のお仕事ガイダンス」と題して、2020年に旭川に開校した林業大学校「北森カレッジ」の生徒募集と、林業への就業に関心がある方へ向けたセミナーを行った。北森カレッジ現役生やOBの体験談を語るコーナーは、職員との掛け合い形式で、日頃の関係性の良さが感じられる和やかな雰囲気で進行した。参加人数は4名と少なかったが、会場参加組は全員が個別相談まで残り意欲的に質問をしていた。 10月1日、北海道は「~旭川圏域 上川町で自分らしく暮らしませんか?~北海道・大雪山国立公園の玄関口にあるアウトドアパラダイス」をセミナールームで開催。アウトドアプロデューサーの男性が、協力隊になるまでの経緯や充実した暮らしぶりを語り、まち全体がこれからの未来を作りあげていく過程にあることも伺えた。個別相談でも、その伸びしろの魅力が語られていたので、まちの今後の歩みに注目したい。5名が参加。 東京都は「遊び×仕事 西多摩の「自然」と「人」を知る! 東京たましま移住セミナー」をミックスで開催。2名の移住者ゲストが、遊びを仕事につなげていった体験談や、東京ならではの田舎暮らしのメリットをわかりやすく解説。説得力のある話に参加者も納得の様子。参加13名の男女比は約半数ずつ、30~60代と幅広かった。終了後はゲスト、参加者同士で連絡先を交換するなど和気あいあいとした雰囲気のセミナーとなった。 長野県は「話題のゲストハウスが大集合 楽園信州移住セミナー」と題して、7市町村と宅建協会が参加するオンラインセミナーを開催した。ゲストハウスの魅力を案内し、現地訪問のきっかけづくりを狙う。オンラインの利点を生かし、5つのゲストハウスの施設内をリアルタイムで中継した。長野市善光寺門前にあるゲストハウス「1166(いちいちろくろく)バックパッカーズ」のオーナーは『ゲストハウスを100倍楽しむ方法』というタイトルでトーク。市町村からは移住お試し住宅の紹介もあった。「施設内をカメラ越しで見せてもらえるのは、とてもよかった」「それぞれに全然雰囲気が違って、どれも面白かった」「8市町村に山との暮らしがあることを改めて実感」など多くの感想が集まった。19名が参加し、アンケートからも継続して関係性を持ちたい方がいることが分かった。 鹿児島県日置市は「『戦国島津×メタバース』薩摩・日置市テゲテゲ軍議大会in東京」をリアル開催した。同市が進める「ネオ日置計画」と「戦国島津」という異色の取合せで参加者の期待度も高かったようだ。メタバースでの交流の可能性など活発な意見交換が行われた。メタバース「ネオ日置」を利用した交流の実演も興味深かった。事前の告知期間が短く、参加人数は5名と多くなかったが、かえって移住担当者との交流が密になってよかった。第2部では日置市特産の紅茶を試飲しながらのリラックスした雰囲気で同市の魅力について紹介できたのではないかと思う。 福島県は「福島くらし&しごとフェア2023」を55市町村、69団体が参加し、過去最大規模で開催した。セミナーやイベントは行わず、市町村・仕事・住まい・先輩移住者などのブースを設置し、様々な移住相談に対応できる体制を構築した。来場者数285人と過去最高を記録した。センターで事前に相談された方も多く来場され、全体的には、本気度が高い幅広い年齢層の方の来場が見受けられた。 岡山県の笠岡市・井原市・浅口市・矢掛町・里庄町は「岡山県南西部オンラインセミナー ~井笠圏域の暮らしを覗いてみよう!~」を開催した。座談会をメインとした交流を行うことが目的のイベント。空き家バンク、就労についての質問があがり、自治体も本音を伝えた。参加者は1名であったが、本気度が高く具体的な相談になり、お試し視察を利用してみたいという話まで発展した。

東北2県(岩手、福島)の移住フェアがにぎわった | ふるさと回帰支援センター VIEW MORE

東北2県(岩手、福島)の移住フェアがにぎわった

10月に入ってやっと、朝夕すっかり秋めいてきた。数日前には中秋の名月を望むことができた。3週間ぶりに、1日の日曜日に休みを取った。恒例にしている1万歩の散歩は8754歩でやめたが、道端にシャクナゲを発見した。例年になく暑かったこともあるのか10日ほど開花が遅れたようで、あの真っ赤な花を見ることができた。シャクナゲはパッと咲いて、線香花火の燃えカスのように花が消えるようになくなってしまう。その潔さが好きだ。 9月30日と10月1日の連日、東北の岩手県、福島県が力と思いのこもったフェアを開催した。30日は岩手県が「THEいわてDAY 2023」を年に一度の岩手ファンミーティングとして開催。今年は毎年首都圏で開催してきた就職イベントと同時開催し、さらにNHKの朝の連ドラの「あまちゃん」のヒロイン・のんちゃんも参加。500名(速報値)というかつてない集客となった。県内の33全自治体が参加し、出展者、参加者とも満足度の高いフェアとなった。また、同時並行で8階では上記フェアのサブ会場として、3件のセミナーを開催。「企業✕学生交流会『いつかシゴトで会うかもね』」と、遠野市を始めとした2市3町の「地域おこし協力隊募集プレゼン」に加え、県内の企業と県外の岩手ファンを仕事を通じてマッチングする「遠恋複業課 説明会」。同説明会は、参加者の多数が女性であった。 10月1日(日)には福島県が「福島くらし&しごとフェア」を県内59自治体中55自治体が参加という、過去最大規模で開催した。福島県は従来にもまして移住の取り組みに力が入っている。すでに県内13市全てがセンターの会員化となり、移住者の受け入れ態勢も確立している。今回はセミナーやイベントは開催せず、市町村への移住相談、仕事相談、空き家などの住まい相談、先輩移住者との具体的移住生活のイロハ相談などのブースを設置して、移住に関する全ての相談に対応できる体制とした。来場者は本気度の高い人を中心に、197組285人と過去最高の参加者となった。 取材・来客は、29日は青森県東北町長久保町長が初めて視察に。長芋とにんにくの産地とかで、センターへの入会を考えたいと話された。東京都下、伊豆七島の御蔵島村清水副村長、三宅支庁の田代支庁長が有楽町駅前でのイベント参加に併せて視察に。本格的に移住者受け入れに取り組みたいと語った。千葉県鴨川市議会議員5名が視察に。鴨川市は早い段階から移住に取り組み、市役所内に鴨川市ふるさと回帰支援センターを置いて移住者の受け入れに取り組んでいた時代もあった。市内には20年ほど前からセンター理事の加藤登紀子(歌手)さんが有機農法による農業法人「鴨川自然王国」を設立し、現在も継続している。30日は岩手フェアに参加。全自治体に挨拶。4日は山口県防府市池田市長、挨拶。福島県小野町の菅野副町長視察。5日は東京海上ホールディングスの永野会長(経団連副会長)が視察に。過日の経団連の地域部会の視察に次ぐもので、経済界のこの問題に対する関心の高まりは大いに歓迎されるものである。

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