復興六起

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鹿児島県 志布志市で新しい活動が始まる

昨日は二十四節気の雨水とか、雪が雨になる季節という。うれしいですね。歳だからなのか、すっかり寒さには弱くなってしまった。つい数年前まではやせ我慢もできたはずなのに、近頃はやせ我慢なんてとてもとても、という感じである。 一昨日、マリ・クリスチィーヌさんが事務所を訪ねてくれた。彼女とは観光甲子園の審査会で毎年1度会う関係だ。ただ、3年前になるが、彼女が応援する宮城県の「復興の桑プロジェクト」をふるさと回帰支援センターが実施した復興六起(第1次産業の6次化で起業することで東日本大震災からの復興をめざす取り組み)に応募いただき、合格させたことで、時々その後の取り組みの報告をいただいている。今回は、その桑の葉のパウダーで「復興の桑チョコレート」を今年のバレンタインデーで仙台市の藤崎デパートで販売。なんと人気NO1の売れ上げを記録したとのこと。復興支援型地域社会雇用創造事業はこのように地域で雇用を生み出しながら継続されている。食してみたが大人の味で歯ごたえもあり、おいしいものだった。今度は何に加工し、復興の桑プロジェクトを発展させてくれるのか楽しみである。 もうひとつ、うれしい話を。友人の東京新聞のM氏の紹介で鹿児島県志布志市から来客があった。この2人、なかなかユニークな人で現状の報告やこれからの夢などを語ってくれた。すでに彼らの仲間は全国から40名にも達しようという規模で志布志市に集まっている。東大を初めとした高学歴のかつ多彩な顔ぶれ(バレーダンサー、漫画家あり)が揃っている。そして、手始めに市と連携し、ソーシャルネットワーク複合型の自主メディア「シシガーデン」を開局し、さらに多方面へと活動を拡大することを目指している。活動の中心は(株)ふじやま学校で会長は東大出の坂本君。衣・食・住を基本とした関連事業を考えているようだ。活動を支えているのは地元出身で、19歳で渡米し、英国にも滞在した北本邦子さん、アサーションマネージメントならびにステノグラフィーの国内第一人者とか。手始めに始められた「衣」の事業収益金で賛助企業会員になって帰られたが、今後の活躍が楽しみである。新しい形のふるさと回帰運動の次のステップを踏もうとしている集団が志布志に出来つつあるといっていいだろう。 明日から久しぶりで高知に行く。出身母体の自治労から人口減対策のシンポをやるから来てほしいとお呼びがかかった。2020年に東京でオリンピックを構え、一方で「まち・ひと・しごと創生本部」を展開と、分かりにくい施策の展開だがどこで暮らすのを選ぶのは国民一人ひとり。首都・東京の動きと全国各県の動向を報告してくるつもりです。

がんばる復興六起の合格者

復興六起を覚えていますか?2012年に東日本大震災からの復興支援で行われた地域社会雇用創造事業でふるさと回帰支援センターは被災3県プラス茨城県県北地域で「復興六起」と銘打って、第一次産業の六次化による起業家の育成に取り組み、100名の起業家と300名のインターンシップの実施を行った。そして、95名の起業家を擁立したが、あれから3年。このほど、2名の方が「新しい東北」官民連携推進協議会主催の東北復興ビジネスコンテスト2014で奨励賞を受賞した。一人は南三陸復興ダコの会の「オクトパス君プロジェクト」、もう一人は「子供達に笑顔・観光客に思い出を作る喜多方もっちり餃子」。あのときのコンセプトは、「小さく生んで、大きく育てる」だった。こうして粘り強くがんばる姿に心からの敬意を表したい。「口より実行」さらなる健闘を期待したい。 昨20日の毎日新聞の「発言」の欄に小生の原稿が掲載された。見出しは「地域再生に移住促進を」とつけられた。「その原稿を読んだので顔を見に来た」と岡山県の新庄村の小倉村長が訪ねられた。その後も何人かの町・村長が来られた。聞けば、丁度、全国町村長会が開催されていたとか。こうした方々も地域の活性化をどうするのかに頭を悩ませている。こんなところにも「まち・ひと・しごと創生本部」への期待が語られている。19日には珍しく岩手県の葛巻町の方が来た。特例として県から認められ、葛巻高校が人口減による生徒減を克服するために、来年4月から山村留学を受け入れることになったので生徒集めに協力してほしいとのことであった。そういえば過日は、山口県の周防大島高校も島留学で生徒集めの協力があった。農山漁村で子ども時代を過ごすことは大いに進められるべきこと。先ごろ亡くなった、友人の山口県知事の山本繁太郎はいつも言っていた。「姿のいい山を見て育った人に悪いやつはいない」と。自然環境のいいところで子育てをすることは、とりわけ大切なことだと思う。ふるさと回帰運動にも通ずるものがある。 新しい動きをひとつ。東京への通勤圏である中核都市の青年会議所が講演依頼に来た。彼の地も年1万数千人が東京へ出て行くという。どうしたらこの足を止められるかを考えているという。おもしろいテーマであるので、勉強して講演に望む気持ちだ。そうしたら、なんと埼玉県の夏暑いことで知られる市の担当者が勉強のために訪れられた。ふるさと回帰運動が、なにも農山漁村だけのものではなく、中核都市や首都圏の都市のテーマにもなろうとしているようだ。本当の豊かさや子育てに適した地域とは、快い風に吹かれて老後を過ごすためにいいところはないか、テーマはそれぞれ違ってもいいのではないだろうか。 さあ、新しいふるさと回帰運動を実践しよう!

まち・ひと・しごと創生本部に期待する

国会が始まった。今国会の目玉は「まち・ひと・しごと創生本部」の取り組み、地方活性化問題といわれる。こうしたこともあって創生本部はフル回転のようだ。地方6団体へのヒアリングや各地方自治体からの要望の受付など、手探りながらも全力投球のようだ。 過日は、わがふるさと回帰支援センターへも創生本部からヒアリングがあった。これまでの取り組みや現状の課題、さらにスケールアップした取り組みのためには何が課題になっているのかなど2時間以上やり取りが行われた。その前段では、嵩副事務局長が個別的に幾人かの関係団体からのヒアリングの一人として石破大臣からもヒアリングが行われている。ただ、創生本部は各省庁からの寄せ集め部隊で構成され、独自の財源もないことから、即効性のある対応は難しく、重点的予算の配分などには次年度以降の予算を待つしかないなど、積極的な政策展開には少々時間が必要なようだ。 ふるさと回帰運動的には、ここ1、2年の間の若者を初めとした移住希望者の急増という背景があり、各自治体のさらなるふるさと回帰運動への参加の拡大による受け皿の拡充が喫禁の課題となっている。昨日も富山県朝日町が町長と町議会議長が訪れ、次年度全国で初めてのブース開設を検討したいといってきた。ふるさと回帰運動への期待は高まる一方である。 政府の「まち・ひと・しごと創生本部」の設立に対する期待は、人口減に悩む自治体からは否が応にも高まっている。この12年間のふるさと回帰運動の取り組みの経験から言えば、この問題についての特効薬はなく、結果が出なければ、取り組みの見直しを含め、結果が出るまでやめないくらいの粘り強い取り組みがあって初めて形になると考える。時間もかかる。ただ、ここまでくれば、取り組みのスキームは出来ており、後はいかにスケールアップして取り組んでいくかである。政府の出番であるといっていいだろう。   ふるさと回帰運動を支える取り組みのひとつとして取り組んできたふるさと起業塾の取り組みで動きがあった。3年前に取り組んだ東日本大震災の被災地の復興支援の取り組み「復興六起」の起業家95人の一人、福島県喜多方市の瓜生和徳さんが農水省の“めざせ!の日本代表 第2回地場もん国民大賞”へ「喜多方もっちり餃子」で応募し、ファイナル審査まで残ったとの連絡がありました。最終は11月1~2日の東京・丸の内ジャパンフードフェスタ2014で決定するとのこと。是非、応援をお願いしたいといってきている。皆様応援をお願いします。

南三陸町で考えたこと

東日本大震災から1年7カ月、初めて宮城県南三陸町を訪ねた。内閣府の復興支援型地域社会雇用創造事業の12回目のビジネスコンペを、南三陸町まちづくり推進機構の事務所で開催したことによるものだ。この事務所は、徳島産の杉材をふんだんに使用して建てられた。すべてが無垢材で作られたもので、近づいただけで杉の匂いに包まれるような感覚だった。   ビジネスコンペでは、書類審査を通過した6名のプレゼンテーションが行われ、早稲田大学の堀口健治教授を審査委員長に5名の審査委員による厳正な審査により、復興に熱い想いを懸けたふるさと起業家が5名誕生した。今回は、事前に180時間に及ぶインターンシップを実施し、その延長線上にビジネスコンペが位置付けられたことにより、認定者が多かった。これまでの平均認定率が26%に留まっていたことから考えると驚くような結果だった。   その南三陸町だが、津波の被害は目を覆うものがあった。高さ5メートルを超えるような堤防は、津波によって簡単に突破されたようであった。その結果、町全体が津波にのまれた形になった。町の防災センターに最後まで残り、町民に対し必死に避難を呼び掛けた女子職員がいたことで有名になった建物は、鉄骨だけが残り、いまでもぽつんと立っていた。その姿は彼女の姿に連なり、涙を誘った。そして、彼女の冥福を祈らずにはいられなかった。   南三陸町の現在は、瓦礫こそ片づけられているが復興にはまだまだ遠く、どこから手をつけたらいいのかもわからない状況であった。こうした中で、復興の一助になればと、今回のビジネスコンペにエントリーし、起業を目指す方々の健闘にはただただ頭が下がるばかりだ。なんとか成功してほしいと願うばかりである。

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